“俺様”大家の王国
「ごめんあそばせ!」
これがメールだったら、『怒りマーク』を付けてやりたいところだ。
私はびしょ濡れのまま靴をつっかけ、外に出た。
ダッシュで階段を駆け上がり、自分の部屋に直行する。
「あー、寒っ……!」
やけくそに、ちょっと大きな声で言ってみた。
何ちゅー奴だよ、まったく。
一体、何を考えているんだろう?
よくも平気で人をおちょくれるな、もう。
誰に対してもあんな感じなの?
……と、毒づきながらも、
ちょっと壊れたようなあの表情を思い出すと、心のどこかで彼を許してしまいたくなる。
(自分の弱さを、簡単にさらけ出すのって、ずるいよなぁ……)