英雄達は最後に笑う…?
はぁ…はぁ…。

駄目だ。

もう限界だ。

嗚呼、皆許してくれ。
必ず帰ると約束したのに。
そう呟く男の足に枷が投げ込まれる。

っち!

男は飛んで避ける。
飛んでる最中に首に枷が付けられる。
足、腕、指、腰。
様々な部分に枷が嵌め込まれる。
決して男を逃がさないという意志が枷から感じられる。

「…みぃつけた」
「…殺すなら殺せ!」
「ん〜…ダァメ。しっかり遊ぶんだから」
「…化け物が」
「じゃぁ、ちゃっちゃと運んじゃって」

枷が引きずられていく。
その刹那、全ての枷が斬られた。

男の周りを何人かの黒いロングコートの奴らが囲む。
全員、刀を構えている。

「捕まれ!」

一人がそう叫ぶと驚異的な脚力で逃げる。

鳥の如く。

音も立てずに。

素早く何人かが追い掛ける。

「あ〜あ。逃げられちゃった…。折角遊ぼうと思ったのになぁ」
「…失礼します。神崎の救出に成功しました」
「ん〜…じゃぁ、そいつで遊ぶわ。運んどいて」

一瞬にして周りから人の気配が消える。
残ったのは微かな獣の匂いだけだった。
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