母の心音(こころね)
「九月二十九日、今日も練習したんや、そして思ったんや。胸の痛み事の多い浮世を思い開いて、詩に代えて行こうとする自分をな。その時々のな、心のうちが自然に出たんや。文章やと、上手にできんのやけど、詩はな、道を歩きながら、草を取りながらでも、自然に出るんや。そしてな、家に帰って、その日に出た詩をノートに書いたんや。人に読んでもらわんでもええんや、上手な詩やないもんな。気を紛らわすと言うか、詩を書かんと身の置き所がなかったんや、自分の心の内を持ってゆく所が詩しかなかったんや。時々の思いが自然に出た詩なんや」



何もかも
忘れようとて浮き事を
詩に思いを馳せる心音

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