母の心音(こころね)
「十月六日、田圃にかけた稲はだの籾も乾いて、主人と二人で籾しごきに行ったんや、弁当を持ってな。しごいた籾を袋に詰めて、荷車に積んでな、一日の仕事を終えて、主人が引く荷車の後を押して、家に帰ったんや、疲れたわ。その帰り道にな、急行列車が走りすぎていったんや。車内は電気がついて、華やかに見えてな。それを見て、荷車を引く二人は、そりゃもう、哀れに見えてな」
取入で
疲れて帰る我よそに
急行列車は走り過ぎ行く
取入で
疲れて帰る我よそに
急行列車は走り過ぎ行く