母の心音(こころね)
「最近な、自分を見つめるようになったんや。あれから四日たったときや、昼ご飯を独りで食べながら、考えたんや。自分も六十を越えたんやって。この年輪はどんな人生やったんやろって。そりゃ、四人の子供は悪い路に行かんで育ってくれたけど、末娘のことが心配や。次男のことも気がかりでな。母を恨むんやないやろかってな、いろいろ思うんや。まだまだ茨の道を歩かないとあかんのや。そう自分に言い聞かせたんや。何時になったら安らぎがくるんやろなって」



人生の
幾春秋は過ぎたれど
茨の道は果てもなきかな


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