母の心音(こころね)
「長男の嫁から連絡があったんや。八月三日に行くってな。そりゃ、その日が待ち遠しくってな、やっとその日が来たんや。何回道端まで出たやろ。昼過ぎになってもまだ来んのや。今年は夏休みがないんやろか、そう思ってな、しょんぼり諦めとったんや。そしたら夕方になって来たんや。そりゃ、もう、嬉しくて嬉しくてな」



もう来ぬと
思いし孫が帰り来て
食事支度も心はづめり



「その晩やった。主人と私の間に挟まって、孫二人寝てくれたんや。そりゃもう、その時の気持ち、筆には表せないわ、可愛くてな。主人と二人でな、孫の顔を見たり、ほほずりしたりしてな、寝付いたのは朝方やった」



我が床に
孫の寝顔を見る今宵
二人の顔に笑みは溢れて


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