母の心音(こころね)
「次の日やった。稲の刈り取りは終わったけど、稲はだから稲を下ろして、家の庭まで運ぶんや。そしてな脱穀するんや。脱穀した籾を庭に敷いた筵に広げて乾燥させるんや。何日も何日もよう乾かさんとな、籾にカビが生えるんや。早よう片付けて次男の家をみに行きたいんやけど、そう思うてな、一生懸命にやるんやけど、思うように仕事がはかどらんのや。早よう早ようと焦るとな、よけいに仕事がはかどらんのや、何時になったら仕事が片付くんやろ、そんな毎日が続くんや。早よう行きたいんやけど、どうしようもないんや。何処の家でも秋の取り入れは忙しいんや。そう思うてな」



東京に
求めかねたる子の家が
気を焦らせし取入れの秋


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