母の心音(こころね)
「十一月一日、やっと東京へ行ける日がやってきたんや。そりゃもう、待ち遠しかったわ。次男の家も見えるし、末娘にも会えるし、それはそれはうきうきした気持ちやった。長女に見送ってもろうて、鳥羽発の夜行列車に乗ったんや。汽車の中では眠れなかったんや。とうとう東京まで起きておったわ。まだ太陽が昇っていなかったけどな、窓からはネオンサインが華やかに見えて、そりゃもう、花盛りのように思えてな。もうじき子供達の顔が見えると思ってな、ネオンサインですら、二人を迎えてくれていると思ってな」
東京に
向かう夜汽車の窓に見る
ネオンも我を迎え輝く
東京に
向かう夜汽車の窓に見る
ネオンも我を迎え輝く