母の心音(こころね)
「今日は十一月十五日や、東京で末娘や次男夫婦にも会えたし、孫の匂いがまだあるんや。あのほっぺたの匂いがまだ残っておるんや。そりゃもう、別れる時が辛くてな。今ごろどうしとるやろな、そんなことを思いながら、家の前の畑の草取りをしたんや。独りでな。こんな寂しい思いどうしてせんなあかんのやろ、どうしてやろ」



あれこれと
浮世の様を思いつつ
荒れし畑の独り草取り

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