母の心音(こころね)
「二月十日、あの頃は、そりゃ子供等に言い聞かせたよ、人に頼ったらあかん、自分の道は自分で切り開くんや、ええことも悪いことも世間は鏡や、人を頼るとな、裏切られた時に人を恨むようになるやろ、義理人情もそうや、それを期待して生きるとな、裏切られたときに、自分も見失うこともあるし、恨みや妬みが芽生えるんや。強く生きるにはな、人を頼ってもあかんし、義理人情を期待してもあかんのや、自分独りで生き抜くんや、そんな風によう言い聞かせたもんや。だけどな、今の自分には、生きる楽しみも消える日があるんや」



子等には、
強気を見せている我も、
生きる望みの絶える日もあり、

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