母の心音(こころね)
「一年と言う月日な長いようで短いんや。孫と遊んでいたいけど、そうはいかんのや。昨年仕舞っておいた籾種をもう取り出して、そろそろ猪苗代に蒔かんとあかんのや。農繁期を考えると、気が重くなるんや。老いの身で、ようやり遂げられるやろかってな。近ごろそう思うようになってな」



一年を
めぐる月日は束の間に
籾種を蒔く初夏は近づく

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