母の心音(こころね)
「四月十七日、肩がこってな、病院へ行ったんや。今は長男が居る学校や、末娘も居った学校や、校庭の周りに植えてある桜の木はな、すっかり花が落ちて、葉桜になっておってな。あちらこちらに座って、中学生が写生しとったんや。末娘のことを思いながら、眺めっとったんや。その写生しとる姿を見て、これから伸びようとする若芽に見えてな、美しい若芽にな」



葉桜の
影に散らばり写生する
若き姿が映える若葉に



「四月二十日、今日はええ天気やと思って、何時ものように五時に起きて朝食の支度をしたんや。だけどな、雨が降ってきたんや。まだ孫も誰も起きて来ないし、長男の出勤時間にはまだ早いし、独り取り残されたような気持ちになってな、また、床に潜り込んだんや」



朝起きて
食事支度も終えてから
また床に入る雨の朝かな
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