母の心音(こころね)
「そしてな、長男と二人きりでええ機会やと思って、普段思っておることを話したんや。長男には家の財産を全部やる代わりに、次男や末娘が大学にやる費用を出してもろたんやってな。次男や末娘にそう話してあるんや。将来兄弟喧嘩しないようにと思ってな。だけどこの思いが通じなかったんや。長男の言うには、そうは思ってなかったんや。毎月の送金に苦労したんやって言うんや。そのことを根にはないらしいけど、すっかり悪者にされたんや。自分の思惑どうりには行かなかったんや。そりゃ、長男には嫁もあるし、子供等の将来を思うと無理もないけどな。すっかり嫌われておることが解ったんや」
和であれと
祈りつ暮らす我が家にも
むら雲出る時もありけり
和であれと
祈りつ暮らす我が家にも
むら雲出る時もありけり