母の心音(こころね)
「十一月四日、末娘が使っておった敷布団の表替えをしようと思ってな、十年ぶりに布団を解いたんや。そしたらな、布団の内側から出て来たんや。自分が十八のときに宇治山田の宮川モスリンと言う会社で働いて居ったときに、初めて自分で買った着物の切れ端が、布団の継ぎはぎに当ててあってな。これを見て、十八の頃を思い出して、暫く見とったんや。昔のことが思い出されて、それはそれは懐かしくてな」
久方に
布団を解けば内側に
我が十八の着物見出し
「十一月五日、長男一家も居なくなって、独りぼっちや。長男にも見放されたようで、本当に独りぼっちや。独り家に居るとな、老いてゆく自分を感じるんや。子供等と別れ別れに暮らして、だんだん歳をとる自分を思うとよけいに寂しいんや、やるせない気持ちになってな。この気持ち、誰にも解ってもらえないんや」
秋の日の
夕日に映えるもみじさえ
寂しがらせる今の我が身を
久方に
布団を解けば内側に
我が十八の着物見出し
「十一月五日、長男一家も居なくなって、独りぼっちや。長男にも見放されたようで、本当に独りぼっちや。独り家に居るとな、老いてゆく自分を感じるんや。子供等と別れ別れに暮らして、だんだん歳をとる自分を思うとよけいに寂しいんや、やるせない気持ちになってな。この気持ち、誰にも解ってもらえないんや」
秋の日の
夕日に映えるもみじさえ
寂しがらせる今の我が身を