母の心音(こころね)
「十二月六日や、三軒向こうの家でな、次男と同じ歳の独り息子を早ようになくし、二人の娘は嫁いで、夫婦二人暮しやった。仲のええ夫婦でな、ええ話し相手やった。それがな、そこの旦那さんが死んで、後を追うようにして奥さんも死んだんや。自分の夫をなくし、子供らと離れて暮らし、歳を重ねて、自分と同じように寂しかったんやろな。人生ってはかないものや。ちょうど同じ年頃でな、それを思うとな」
昨日まで
語り悲しむその人も
はかなくも今日世を去り逝く
昨日まで
語り悲しむその人も
はかなくも今日世を去り逝く