pp―the piano players―
温かい場所。大好きな場所。かけがえのない、居場所。
わたしはピアノを撫でた。応接間のこの小ぶりのグランドピアノは、先生の家の中で一番若いピアノだ。
撫でても音は出ないわよ、と先生が笑みを含めた声を出す。振り返ると、水仕事を終えた先生の赤い指が目に入った。
「圭太郎君の話を聞いていると、わたしはピアノを弾いちゃいけないように思えて来ます」
先生がわたしの掛けている椅子に座ろうとしたので、おしりを少し右にずらして左側を開けた。先生はそこに座り、鍵盤に手を置く。
私はドイツまで行ったけど、結局わからなかったわ。先生は笑顔のまま小さなため息をつくと、指を動かした。三匹目の子犬が、自分の尻尾を追いかけて遊ぶ。どうやら、ゴールデンレトリバーの子犬のようだ。
わたしはピアノを撫でた。応接間のこの小ぶりのグランドピアノは、先生の家の中で一番若いピアノだ。
撫でても音は出ないわよ、と先生が笑みを含めた声を出す。振り返ると、水仕事を終えた先生の赤い指が目に入った。
「圭太郎君の話を聞いていると、わたしはピアノを弾いちゃいけないように思えて来ます」
先生がわたしの掛けている椅子に座ろうとしたので、おしりを少し右にずらして左側を開けた。先生はそこに座り、鍵盤に手を置く。
私はドイツまで行ったけど、結局わからなかったわ。先生は笑顔のまま小さなため息をつくと、指を動かした。三匹目の子犬が、自分の尻尾を追いかけて遊ぶ。どうやら、ゴールデンレトリバーの子犬のようだ。