pp―the piano players―
ラウンジで軽食を取りながらドゥメールは早紀に白峰美鈴の話をし続ける。彼女どれだけ有望なピアニストだったか、コンラートに期待されていたか。父親の死に消沈して帰国したこと。時が経ち、老齢となったコンラートが最後に育てると決めたのは吉岡圭太郎――白峰美鈴の愛弟子であることを、自分がどれだけ喜んだか。
圭太郎とドゥメールの関係を勘ぐっていたニーナは、その話を聴きながら僕に目配せをして苦笑する。
早紀は時おり質問を挟み、ドゥメールの話を吸い込むように聞いていた。
「ありがとう」
ドゥメールは早紀の目を覗き込み、灰色の瞳を潤ませる。早紀の手を取って、恥ずかしそうに微笑む。
「帰国したヨシにすぐ手紙を送ったわ。返事はなかった。しばらくしてから頼りが来たの」
ハンドバッグから、古びたエアメールを取り出した。早紀に握らせる。早紀は封筒から便箋を取り出し、開いた。読んで、今度はドゥメールの目を覗いた。
「あなたがヨシに出会ってくれたから、私はヨシに、大好きなヨシにまた会えたのね」
「今のわたしがあるのは、先生が、わたしと圭太郎君を育ててくれたからです。それで、その」
早紀は少し躊躇って、続けた。
「この手紙を、誰かに見せたことは」
圭太郎とドゥメールの関係を勘ぐっていたニーナは、その話を聴きながら僕に目配せをして苦笑する。
早紀は時おり質問を挟み、ドゥメールの話を吸い込むように聞いていた。
「ありがとう」
ドゥメールは早紀の目を覗き込み、灰色の瞳を潤ませる。早紀の手を取って、恥ずかしそうに微笑む。
「帰国したヨシにすぐ手紙を送ったわ。返事はなかった。しばらくしてから頼りが来たの」
ハンドバッグから、古びたエアメールを取り出した。早紀に握らせる。早紀は封筒から便箋を取り出し、開いた。読んで、今度はドゥメールの目を覗いた。
「あなたがヨシに出会ってくれたから、私はヨシに、大好きなヨシにまた会えたのね」
「今のわたしがあるのは、先生が、わたしと圭太郎君を育ててくれたからです。それで、その」
早紀は少し躊躇って、続けた。
「この手紙を、誰かに見せたことは」