時計塔の鬼



「ううう~……」



図星。

言い返す言葉が見つからない様で、悔しそうに黙り込んだ少女を改めて見た。



白い肌に、すらりと伸びた両の手足。

鼻は適度に高く、黒の瞳がその大きな目の中でくりくりと動いている。

印象的な紅い唇は、目を引きつける。

悪くはない造作だ。

むしろ、人間としては美人の部類に入るだろう。



「情けねぇな」



途端に、さくらはクワッと大きな目をさらに大きく見開いた。



「そ、それはそれ、これはこれや! うちは偽者やなくて、まだ見習いなだけやわ! っていうか今はそんなん関係ないやろっ!」



彼女の悔し紛れの反論は穴だらけだった。


鬼である俺は祓われない程には強いようだが、その俺が消されるかどうかは、重要な問題あるはずだ。

見習いが鬼を祓おうなんて、自信過剰もいい所。

まして、自分に出来ないからと援護を呼ぼうとする他力本願も極めたり、というヤツだ。


< 118 / 397 >

この作品をシェア

pagetop