時計塔の鬼
「ううう~……」
図星。
言い返す言葉が見つからない様で、悔しそうに黙り込んだ少女を改めて見た。
白い肌に、すらりと伸びた両の手足。
鼻は適度に高く、黒の瞳がその大きな目の中でくりくりと動いている。
印象的な紅い唇は、目を引きつける。
悪くはない造作だ。
むしろ、人間としては美人の部類に入るだろう。
「情けねぇな」
途端に、さくらはクワッと大きな目をさらに大きく見開いた。
「そ、それはそれ、これはこれや! うちは偽者やなくて、まだ見習いなだけやわ! っていうか今はそんなん関係ないやろっ!」
彼女の悔し紛れの反論は穴だらけだった。
鬼である俺は祓われない程には強いようだが、その俺が消されるかどうかは、重要な問題あるはずだ。
見習いが鬼を祓おうなんて、自信過剰もいい所。
まして、自分に出来ないからと援護を呼ぼうとする他力本願も極めたり、というヤツだ。