時計塔の鬼



この調子だと、大丈夫そうだな。

そう、自分に納得をして少女の様子見を続けることにした。



少女は、携帯電話という物を何度か操作していたが、不思議そうに光る板を見つめてポツリと呟いた。



「あれ……? 圏外やわ。なんや、意味ないやん」


「“ケンガイ”?」


「電波が繋がらへんこと」


「へぇ」



未知な物は好奇心をうずかせる。



「なぁ。ここがケンガイなのは、電波のせいじゃなくて、磁場のせいなんじゃないか?」


「磁場?」


「磁気作用が及ぶ範囲のこと」


「へぇ」



今度はさくらが感心した。


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