魔女の瞳Ⅵ
「待って下さい!」

魔術を行使しようとした私を、蘭花が制する。

「何よ!?邪魔するなら貴女も容赦なく殺すわよ、蘭花!」

「待って下さい、話を聞いてください!」

必死になって私を押さえる蘭花。

理解できない。

彼女は何故長老を庇うのか。

長老はいわば、裏切り者のユダだ。

お母様に私を、修内太を売った。

その上で何を見返りとして得たのかは知らない。

地位か、魔力か、永遠の命か。

何にせよ、彼はそれまで仲間だった私達をお母様に売ったのだ。

人外とて裏切りは万死に値する。

知っていて長老は私達を売ったのだ。

「違いますメグさん!長老さんはお二人を売ったりなんかしていません!それに!」

蘭花は叫んだ。

「修内太さんは助かります!」

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