中学最後の夏休み《短》
「あのね?」
するとナツが言いにくそうに話し始めた。
「今日、彼氏の家に泊まりにいってたの」
……ナツ、彼氏いたんだ。
まあ俺だって彼女いたことあるんだし、高ニのナツにいないわけないか。
でも、なんでだ?
なんで俺、こんなにショック受けてんだろう?
「それで今日、泊まりにこないかって言われて……何もしないからって」
なるほどね。
なんとなくこの続きは想像出来た。
「なのに、寝るときになって彼氏が……」
「わかった。もういい。それで、結局は何もされてないんだな?」
ナツは涙目になりながらうなずいた。