僕とこいつは生徒会長
近くの河原で二人並んで座りこむ。


すると優弥は小さい頃の話をしだした。


「俺、昔から女顔だったから、よくいじめられてたんだ。
『来んなよ! この女男』って感じにね。

ほら。小さい時は言っていいことと悪いことはわからないから。


それで俺、情けないことにいつも泣いてたんだ。この写真に写ってるみたいにさ」



優弥が写真に写るチビ優弥を指さしながら話す。


「優弥の気持ちなんとなくわかる。僕もそういうのがあったから自分のことを『僕』って言い出して自分を偽ってた」



今の僕を作った原因。それは幼稚園の時からの嫌がらせによって出来たトラウマからだった。


「うん。俺の場合はいつも泣いてばかりだったからそんなマキちゃんが凄いと思った。
あの時もさ、河原で一人うずくまりながら泣いてると一人の女の子が近づいてきたんだ。それがマキちゃん。
まあ正直、最初は男の子かと思ったけどな」


「それ酷くないか?」


僕のツッコミに優弥が笑いながら『マキちゃんは変わらないね』そう言った。





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