【完】キス、kiss…キス!
「もしかして……尚志がいないことと関係してる?」


早苗ちゃんは、凄く鋭い。何も言えない私に、早苗ちゃんは小さな溜息をつく。



「言ってみ?……まあ、あいつのことだから、しょーもない理由なんでしょ?」


苦笑いして私を優しく撫でる早苗ちゃん。そんな優しい早苗ちゃんに、いつの間にか私は、さっきのことを話していた。


話し終わると、なんだかまた切ない気持ちになって目が潤む。


泣き虫姫子。良い大人のくせに、10歳年下の早苗ちゃんを困らせてる。


「……ったく、尚志の奴、マジでしょうもない。バカだわ」


話を聞いた早苗ちゃんは、がくっと肩を落とし、頭を抱えてしまった。


私以上にナオちゃんを良く知ってる早苗ちゃんだから、ナオちゃんの性格も知ってるし、多分、高坂さんのことも知ってるからこそこのリアクションなんだろう。
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