Sky
梨衣の言葉に、一瞬、美由がものすごく悲しそうな顔をした




でも、その表情はすぐに消えて、いつもの人懐こい笑顔に戻っていた






…やっぱり気のせいか


今の梨衣の言葉のどこにも、美由が傷つく原因になりそうなものなんてなかった


美由が悲しそうに見えたのなら、それは気のせいだろう









自分でも、なんて単純な人間だろうと思うよ



でも、美由が悲しんでいるなんて思いたくなかった








「美由ちゃーん!お母さんからお電話よ~」



母さんの声が、家中に響いた



「は~い!…じゃあ、ちょっと行ってくるね」



そう言って美由は部屋から飛び出して行った


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