粘りに粘ったが、ついにゲームオーバーになった。ハイスコア更新。パズルは得意なのだ。

一息ついて、壁を見る。先程の印。壁のはじから1センチ離れた位置につけたそれは、はじから1ミリほどの位置にあった。

「なるほど」

思わず独り言。

周囲を見回す。目の錯覚か?明らかに、部屋が狭くなっている。原因も理由も目的もわからない。わかるのは結果だけ。最初3メートル四方と見当つけた部屋。今は2.5メートル四方程度に見える。

先程の違和感や、印の位置と合わせて考えると、壁が縮んでいると言える。また、部屋の形は相変わらず立方体。つまり、縮んでいるのは印をつけた壁だけではない。三次元として、この部屋全体が、ある一点に向けて収縮している。

「…なんじゃこりゃ」

思わず独り言。
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