私は何か、安心した。もうあまり怖くはない。全ての人間は、圧力に潰されて死ぬのだ。なら、私がここで死んだとしても、それは別に特別なことじゃない。よくあることだ。自然死だ。

最初は理不尽だと思った…。違う。死とは理不尽なものなのだ。最初は意味不明だと思った…。違う。死とは意味不明なのだ。

私の今味わっている閉塞の恐怖は、全ての人間が必ず味わうのだ…。そして死ぬ。

突発的な死、事故などを除いて。思考力のあるまま死を迎えれば、必ず。必ず味わう。この苦悩は、思考力ある人間として生まれたことによる、税金のようなものだ。納めなければ、人間をやめさせて貰えない。

今生きている奴は、せいぜい怯えるがいい。いつかくる、この恐怖に。この絶望に。

経験したことのない圧倒的苦悩に、戦慄せよ…。

今、ロッカーの中にいるような感じだ。肺が圧迫される。一つの壁が存在せず、外界に通じていても…もう、自力では出られない。

私は押し込められている。文字通り。
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