ウソ★スキ
それはちょうどお弁当を食べ終わった時だった。


「美夕、ケータイ鳴ってるよー」

友達があたしの机に手を伸ばして、椅子の上に置いていたカバンごと「はいっ」って差し出してくれる。

あたしがカバンを受け取るとすぐに、カバンの中で音をたてていた携帯は静かになった。


メールだ。

そして、この着信音がなるのは、あの双子からのメールのときだけ──。



「いいなー、もしかして彼氏から?」

「ううん、違うよ」

「そういえば美夕、あのかっこいい彼氏とうまくいってるの?」

「あっ、あたしも見たことある! よく放課後迎えに来てくれてるよね」

……それって多分、徹先輩のことだ。

「えーっ、今度紹介してよ!」


友達の話に上の空で相槌を打ちながら、あたしはカバンから取り出した携帯電話を開いた。

あたしは、そのメールはソラからで、今日の放課後の待ち合わせ時間の連絡なんだと思っていた。



──だけど。

それは、ソラではなく、キラからのメールだった。



「ちょっとゴメンね!」

席を立って窓際へ移動するあたしの背中に、友達は
「やっぱり彼氏からじゃん」
って冷やかすような声をかけたけれど。


そのときのあたしには、振り返って軽く笑顔を返す余裕さえなかった。
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