ウソ★スキ
そして何度目かの往復の後にソラの指があたしの指先までたどり着くと、あたしたちの指先はぴたりと重なった。

それは、驚くくらいくすぐったくて。
その瞬間、あたしの背中に軽い電流が流れた。

思わずソラの指から逃れようとするあたしの親指を、ソラが面白そうに追いかけてくる。

まるで親指同士の鬼ごっこみたいだ。


だけどあたしはあっという間にソラにつかまってしまった。

そしてまた、大きなソラの手が、あたしの手を包み込む──




不思議だった。

あたしたちはただ黙って手を繋いでるだけなのに。


あたしはまるでソラに抱きしめられているような、

指先でソラと会話をしているような。

そんな気持ちになっていた。



指先っていうのは、日ごろからいろんな刺激に触れ、細かい作業を繰り返しているから、感覚神経がとても発達しているっていうのは聞いたことがあったけれど。

あたしは今、そのことを身をもって実感していた。



……あたしはそれまで知らなかったんだ。

手を繋ぐっていう行為が、こんなに「感じる」ことだったなんて。
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