ウソ★スキ
顔を上げると、そこに立っていたのは

細く吊り上がった目、
イヤらしく引き上げられた口角、
長く尖った顎……

意地悪そうに微笑む上級生の顔は、まるで女狐のようだった。


「偉そうに、なに睨んでるのよ」

女狐は楽しそうに、あたしを見下しながらこう続けた。

「ねえ、そんなに親友が大好きなら、あんたのことも双子と一緒に晒してあげようか? 名前とか、住んでるとことか、何なら今の格好を撮ってさぁ」


その言葉に、昨日のバスでの出来事が脳裏をよぎる。

見ず知らずの人間の視線、心ない嘲笑──

それを思い出しだけで、あの時のように体がすくんだ。


「言っとくけど、双子ネタで盛り上がってるのはあの掲示板だけじゃないんだからね」


あたしはぐっと唇をかみしめた。

悔しいけれど、何も言葉が出てこない。

あたしにできるのは、ただその女狐を睨みつけることだけで……。



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