ウソ★スキ
ずっとうつむいていたからはっきりとは分からないけれど、周囲の生徒はみんな、その動きを止めて校庭のあたしたちに注目している様な気がした。

そんな息苦しい中を足早に駆け抜けて学校の敷地から抜け出すと、先輩は
「はぁー、緊張した」
ってあたしの肩から手を離した。


「間に合わなくてゴメン……助けに入るのが一歩遅れちゃったね」

息を整えながらそう言う先輩に、あたしは黙って首を横に振った。


「さっきのヤツは中学の時から知ってるんだ。彼氏ともツレだし。だから、もう美夕ちゃんをいじめることはないと思うから、安心して?」

「……ありがとうございます」

「相変わらず美夕ちゃんは分かりやすいな。“どうして俺がここにいるんだ?”って顔してる」


言いたいことを先に言われちゃった……。


「例のキラちゃんからのメールが、俺や苑にも届いてたんだよ」

「……え?」

「キラちゃん、よっぽど思い詰めてたんだろうね。……だから、美夕ちゃんや双子のことはずっと気になってたんだ。でも、美夕ちゃんに振られた立場でしつこく声をかけていいものかどうか悩んで」


< 481 / 667 >

この作品をシェア

pagetop