ウソ★スキ
先輩の“振られた”っていう言葉が、あたしの胸をぎゅっと締め付ける。

「ソラとうまくいってるんだったら、迷惑なだけだと思ったんだ」


話しながら、あたしと先輩は自然に“いつもの場所”へと足を進めていた。

そう。
毎日先輩が原付を停めて、あたしが学校から出てくるのを待ってくれていた場所に──。


「でも騒ぎはどんどん広がるし、ソラに話を聞こうと思って教室に行っても休みだって言われて。おまけに携帯もつながらなくなっちゃったしね」

「……」

「なんとなく、美夕ちゃんが泣いてるような気がしたんだ。だから来てみたんだけど……迷惑だった?」

「そんなこと……」


そんなこと、ない。

でも……

「でも……先輩にあんなとこ、見られたくなかったです……」

あたしの声はだんだん小さくなっていった。

多分最後の方は聞き取れなかったんじゃないかってくらい。


先輩はあの旅行の帰りに、あたしにポツリと「幸せになるんだよ」って言ってくれた。

そして、あたしとソラを残して1人で帰って行ったのに。

それなのに、幸せになるどころか、こんな情けない姿を見せちゃうなんて……。

< 482 / 667 >

この作品をシェア

pagetop