その日、僕は神になった
 会場内に変化が起きたのは、新族、学校関係者が献花を終えた時だった。松葉杖をつき、左足を包帯で固定された少女が、俯きながら棺に近づく。一輪の花を真の顔の横に供えると、彼女は狂ったかのように叫び出した。
「なんで、なんで死んじゃうのよ!なんで私なんかを助けたのよ?私が何をしたか、聞いてたんでしょ?それなのに、なんで助けたりしたの…」
 彼女の叫びは、やがて嗚咽に変わり、呟くように続けた。
「まだごめんねって言ってないじゃないの、ありがとうも言ってないじゃないの」
 友人の子だろう、彼女の肩を抱き、必死に落ち着かせようとしている。会場内にはいくつものすすり泣く声が響いていた。真の両親もハンカチで口を塞ぎ、必死で嗚咽を噛み殺している。その涙こそは、真に向けられたものなのだろうか?それとも、命の恩人にすがりつく彼女を憐れんで流された涙なのだろうか?彼女は友人の手を振りほどき、尚も真に訴えかけた。
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