その日、僕は神になった
「サイトウフウマ…」
 僕がカエデマコトだと思っていた人物の名前は、サイトウフウマだった。なぜ僕はそんな誤解をし続けていたのだ?記憶を辿っていく。そうだ、僕が初めて彼をモニター上で見た時、画面右下に『楓真』と表示されていたからだ。そして、彼を観察する中で、今の今まで誰一人彼の名を口にしなかったからだ。だからこそ僕は今までその過ちに気付けなかった…。なぜあの時、モニター上に『斉藤楓真』と表示されなかったのだ?なぜ『楓真』と表示されたのだ?あれではカエデマコトと勘違いするのも無理ないじゃないか?モニター上に性・楓、名・真と表示されていた訳ではないので、僕の早とちりと言われればそれまでだが、そこには何らかの意図が働いていたからではないか?『サイトウフウマ』を『カエデマコト』と思わせておくための…。だとしたら誰が、何のためにそんな子細工を仕込んでいたのだ?
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