小悪魔男子
薫ちゃんは首を傾けて手のひらで支えるポーズをとる。
「…あたしの淫靡(インビ)で危険な香りにやられちゃったのかしら……」
はいはい。そうでしょーとも。
艶(ナマ)めかしくため息を吐くオカマに、誰も言う言葉はなかった。
「お待たせしました」
5分くらいたった頃にやってきた光君。
目の前に置かれたのはコーヒーと、小さなケーキ。
「あれ?コーヒーしか注文してないけど」
そう尋ねたあたし。光君は人差し指を軽く口に当てて
「シィ…。内緒ですよ」
と色っぽく言ってきた。
じゃあ。ごゆっくり と戻っていく光君。
「…はぁ。あたし…彼になら犯されてもいい…」
小指を咥えて、薫ちゃんは卒倒しそうになっていた。