小悪魔男子



「…俺はアイツ苦手だけどな」


和樹が誰かに対してそんな事を言っているのを見たのは初めてだった。


「あーら。あんたも案外鋭いのね?」


ショートケーキをフォークでプスプスと突き刺しながら、薫ちゃんは言った。



勿体無い…!!


「薫ちゃん、ケーキ食べないならちょーだい」


返事を聞く前に皿ごと取り上げて口に運ぶ。


「……いーけどさ。あんた、自分の事だって分かってる?」



そう呆れ顔で言われたが、何が何だか分からない。


「何が?あ、イチゴ欲しい?」


「はぁぁ……。全部あげるから、ちょっとは賢くなりなさいね」



「むぅ…」


何さっ。



人のことバカにしまくって!!



薫ちゃんだって…


薫ちゃんだって…!!








この前の現国のテスト

あたしよりも5点低かったくせにぃぃぃぃぃい~~!!!!





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