小悪魔男子


―――8時05分。



「おはよう」



登校してきたのは真希だった。


挨拶を返しながら思う。和樹より先に真希が来てくれてよかったって。


「…和樹は?まだ?」


「うん…。どうしよう。いつ言えばいいかな!?」



薫ちゃんに聞こえない程度の声で話す。



「来たら第二校舎に呼び出せば?あそこ人居ないし」


「え?そうなの?」


移動教室の時にしか利用しない第二校舎はひと気がないらしい。


屋上なんかには結構誰かしらいるみたいだけど…。



「じゃあ、そうしようかな…。あぁ~…緊張する…」


「いい?お願いだから普通に接してね。

じゃないとあたしたちまで巻き添え食う羽目に…」


そんな…。


それが親友の言う言葉か?



真希のきつい言葉に青ざめている間に、その時はもうすぐそばまでやってきていた。






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