薔薇姫-another story-
マレッタ様は、大きく目を見開いたあと、みるみるうちに頬を真っ赤に染めていく。
まるで―――紅涙花のように。
「なっ、ロゼリナータ様っ!?」
「…マレッタ様。ここで何をなさってるんです?」
私の問いかけに、マレッタ様は視線を落とし、口を開いた。
「…な、何でもありませんわ」
その答えに、私は小さなため息をつく。
「メイ様が捜していらっしゃいましたよ?」
「えっ…」
ぱっと顔を上げたかと思うと、マレッタ様は困ったように眉をひそめた。
「メイさんが…」
そこで口をつぐみ、私をじっと見つめた。
「………」
どうかしたのかと訊ねようとして、私は思い直した。
いつものように、「何でもない」と言われそうな気がした。
けれど予想に反して、マレッタ様が再度口を開いた。
「…何か、言っていましたの?」
「…は?」
私は、反射的に訊き返してしまった。