薔薇姫-another story-
「…熱が、おありになるのでは?」
真剣にそう訊ねた私に、マレッタ様は口をポカンと開けた。
「……………え?」
「ですから、お顔が赤いです。もしかしたら熱が…」
私の言葉がそこで途切れたのは、小さな笑い声が聞こえたから。
見れば、マレッタ様がくすくすと笑っていた。
「…ロゼリナータ様。わたくし、熱なんてないですわ」
私とマレッタ様の体が離れ、少し距離があく。
…けれど、先程よりは近い。
「それ、天然なんですの?」
困ったように笑い、マレッタ様が私を見た。
天然だとかそうじゃないとか、今はそれどころじゃなかった。
マレッタ様が―――笑った。
「ロゼリナータ様?」
「あっ、はい」
不意に名前を呼ばれ、私は我に返った。
そんな私を不審に思ったのか、マレッタ様が「どうしましたの?」と訊いてくる。
私は迷った末、正直に話してみた。