ふたつの指輪
「……尊さん」


眉がいっそうハの字になる。



「……ほんとに?」


おずおずとした、小さな声。


「なんだ、知らなかったのか」


俺は思わず苦笑する。




そして、俺は真剣に瞳衣に語りかけた。



「なあ、瞳衣。


あいつのことを忘れろ、なんて言わない。

いつでも、いくらでも、泣きたかったら、あいつのために泣いてやれ。


――あいつのことをまだ想ってるおまえごと、俺は愛してるから」
< 323 / 331 >

この作品をシェア

pagetop