ふたつの指輪
「……た……けるさん」


瞳衣の瞳に、またぶわっと涙があふれた。


「時間がかかってもいい。

そこは覚悟してるから。

だから、もう一度、俺にチャンスをくれ」


精一杯、笑顔を作る。


「……尊さん」



瞳衣は、しばらく無言でじっとテーブルを見ていた。


いつまでも沈黙が続くかと思われたころ、ふと唇を開いた。



「あたし、あの……とき、尊さんのこと、好きになってた」


「そんなの、知ってたよ」


笑う俺に、瞳衣はまた目を丸くした。
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