ふたつの指輪
「そうなの?」

「見てりゃわかる」

「そ……か……」


はぁ、と小さくため息をつく。



「……魁人もね、あたしと尊さんの仲は怖がってた。


だから、あんなに入籍を急いだし、いろいろ無理してたんだ。

あたしにやたら物を次々に買ってくれて……お金もほしがって。


そんなことしなくても良かったのにね。

かわいそうに……きっと、自分に自信が持てなかったんだと思うの。


でも、あたしの気を引こうとしてくれるのがうれしくて……

あたしはそんな魁人の弱い心を救ってあげられなかった」


そう言って、思い出すように遠くを見つめる。
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