a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
慶一は基本的に温かくベッドやその他色々揃った保健室で世話をされていた。
ニコニコと人懐っこく笑っては、保健医の顔をだらしないくらいに緩めていた。
「けーいちー!」
そこに現れたのは、先程授業を終えた五月女だった。その後ろには、明衣や本郷も居て、どうやらaucメンバーは慶一のことが何よりも気掛かりらしかった。
保健医はそんな三人を優しい微笑みで見つめながら、キィ、と高い音を立てて椅子から立ち上がった。
「さっきミルクを飲んでね。元気に笑ってくれてるわ。
可愛いわねぇ。親が現れなかったら、私育てようかしら」
「先生なら慶一も喜ぶと思いますよ」
「ふふ……ダメよ。子供はその内、本当の母親が恋しくなるものなの。
特に、男の子はお母さん大好きなんだから尚更ね」
保健医の呟きに、得意の笑顔で返した五月女だったが、更に保健医は苦笑するように言葉を付け加えた。
「……多分、私がこの子を引き取ったとしても、この子は本当の母親の温もりを欲しがるわ。
きっと……本能で」
保健医は言いながら、そっと目を伏せてうとうとし始める慶一の頭を撫でた。
長い睫毛が影を作っている。