a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
五月女は部室に転がるように入ると、まだ息も整わないうちからパソコンを起動させ、食い入るように画面を見ながらキーボードを叩き始めた。
その様子を見ていた明衣と本郷は唖然としつつも苦笑する。
「そっか……五月女は、ああいう奴でしたね」
「明衣ちゃんも慣れてきたかしら」
五月女は、慶一の母が去年卒業前に辞めた先輩かもしれない、という話を、引っ掛かりから仮説に、そしてそれから確信へと変えるために、廊下でその話を聞いた後に血相を変えて走りだしたのだった。
そうなった五月女は誰にも止めることが出来ないことを、二人は知っている。
だから今もこうして、苦笑し二人顔を見合わせながら、そんな彼の背中を見守るのだ。
部室には、カチャカチャというキーを叩く指の音と、ガシャンというプリンタが紙を吐き出す音だけが響いていた。
──口惜しいけど……
明衣はソファーに座ったまま、膝の上で握られた拳を睨む。
──今はあいつに任せるしか、無いんだよね………
そんな明衣を横目で見ながら、本郷は五月女の後ろ姿を見ていた。