a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
卓袱台のような小さなテーブルが一つあり、申し訳程度の小さな屑籠がタンスの横に置かれていた。
女性の部屋だというのに、クッションだとか置物だといった装飾品の類は見当たらず、必要最低限の物が置かれているだけの、殺風景な部屋だった。
「出せるものなんて、何もないわよ」
「や、お構い無くお願いします」
刺のある言い方をしたしおりに、五月女は慌てて答えた。
今回は雑談をしに来たわけでは無い。
一人の子供の、今後の未来が懸かった大切な話をしに来たのだ。
さすがに普段空気が読めない五月女でも、それ位はわかっているつもりだったし、そのために来たのだ。
自分が、それを望んでやってきたのだ。
「………何で、こんなことをしたんですか」
俯いて座るしおりに、五月女は尋ねていた。いつものお茶らけたような口調ではなく、真剣な、少しだけ怒りのこもった、そんな声色で。
しおりはただ、俯いて肩を震わせるだけだったが、やがて、小さく嗚咽を漏らし始めた。
「…………わ、たし…………………高3の時、彼氏との間に子供が出来たって知って………。
わかったときには、もう中絶できるくらいの大きさじゃなくて、私に残された選択肢は、産むことだけだったの」
しおりは震える声を絞りだすようにして、一つ一つ話し始めた。