a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
確かに、メンバーからしても、彼の行動は納得行かなかった。
今まで一緒に困難を乗り越え、メンバー一丸となって依頼人の為に頑張ってきた。
以来を連れてくるのは彼だった。
だから、自分達に何かを隠して勝手に物事を進めることは簡単だろうし、実際、今までそうしてきていたのかもしれない。
気付かなかっただけで。
──長年先生と一緒に居たはずの私にも見抜けなかった先生の表情を、明衣ちゃんは………
本郷は明衣に視線を向けながら、驚いたような気持ちになっていた。
──この数か月で、敏感に察知していたというの………
頭は弱いくせに、人の心には敏感だなんて、野性じみてる。
そう思った。
「なんか動物っぽいわね」
「さっきから失礼なんですよ先輩はΣ!!
可愛い顔して口開いたら毒しか吐かないなんて、質悪すぎなんだけど!!」
本郷の呟きに、明衣は青筋を浮かばせて叫んだ。
楡がその気なら、こっちも。
探らせてもらおうじゃないか、と明衣は遠くを見た。