a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
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楡はある男と睨み合っていた。
町の外れにある、天井には穴が開き、薄明かりが漏れている薄暗い廃倉庫の中で、視線だけがぶつかる。
「オイ、何の用だよ。こんな所に呼び出して、ただで済むと思ってるのか?」
「うん」
男の怠そうな質問に、楡は更に怠そうに答える。
男は怪訝そうに眉を寄せながら、自分をこんな所まで呼び出した楡を憎々しげに眺めた。
そんな男の気持ちを知ってか知らずか、楡は新聞の切り抜きを男に差し出し、口を開いた。
「それ。覚えてんだろ」
「……………」
『花村夫婦殺害事件』
『強盗殺人と見て捜査進める』
薄暗くても、大きな見出しは目に留まる訳で、男は一瞬目を丸くした。
「二年間も上手く逃げれたもんだな。井野坂信治さん」
「……何の話だ」
楡の言葉のあとに、あからさまに男──井野坂は嫌そうな顔をする。
楡はそんな井野坂を見ながら、更に続けた。
「人殺して少ない金奪って…罪悪感は無かったんか?」
「オイ、それは…俺が犯人だって言いたいのか?」
「…違うの?」
楡はわざとらしく首を傾げた。