a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
皆は心配そうにしていたが、明衣が「行ってて」と促すと、渋々とベンチから見えるところのヤツ制覇するから、と言って走っていった。
自分も回復したら混ざれば良いか。
そう思いながら、皆の背中を眺める。
ジェットコースターの後は、《スペースワールド》と書かれた、これもジェットコースターと似た類だろう、絶叫マシンに乗るようだ。
いきなりスタートのコースは垂直だ。
垂直に登り、ほぼ垂直に下がる。
あんなの乗ったら、間違いなく死ぬ。
──し、信じらんない──…
明衣は目を丸くしながら、彼らの図太い神経に感心する。
明衣の視線に気付いた本郷が、ニコニコと手を振ってきたので、明衣も振り返した。
──本当にあたし…役に立ってない…
手を振りながら、揺れる視界に明衣は唇を噛み締めた。
aucだなんて訳の判らない部活に入ってしまって、今日の依頼だって、初めての仕事だし、少しくらいはメンバーに任せてしまっても、仕方無いかとは思っていた。
けれど、今の自分の状況はどうだろう。
動物園に行くことを企画したのは本郷で、調べて話題の動物園を探したのは五月女で、チケット手配したのは楡で……
自分がしたことといえば、ボケまくる皆にツッコミを入れただけだ。
今だって、乗り物酔いで潰れてしまって、役に立てる状況じゃない。
「……あたしの……馬鹿…」
悔しくて一人呟いた時、明衣の顔に影が掛かった。