a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜


「…どうしたの?…乗らないの?」


頭上から声が降ってくる。

明衣は視線を辿り、声の主を見上げた。

それは、さっきまで煙草を吸うからと言って、喫煙室に居た楡だった。


「…具合悪いの?」

「見て判るでしょ」

「…顔、真っ青」

「普段から青白いアンタに言われたくない」


心配しているのか、明衣の隣に腰掛ける楡に、明衣はつい憎まれ口を叩く。

楡は無言で座っている。

明衣は気まずくなってきたので、何と無く隣の楡を見上げた。

どこを見ているのか、焦点の定まらないビー玉のような瞳。
太陽の光を浴びて、キラキラとその光を吸収する色素の薄い髪。
綺麗に鼻筋の通った顔と、薄くて柔らかそうな唇。

自然に、胸が高鳴るのを感じた。

それを誤魔化したくて、明衣は尖った口調で話し掛ける。


「…煙草は……もう良いわけ?」

「一応、これは部活の一貫だし、実の所、俺勤務中なんだよね。
だから、煙草吸っててその間に生徒や依頼人に何かあったら、めんどくさいでしょ」

「……そうなんだ」

「だから、取り敢えず君らを探してきたわけだけど……」


楡は其処で言葉を切ると、虚ろな瞳を明衣に向けた。


「…水かなんか、飲む?」

「話繋がってないΣ!!」





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