a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
何の脈絡もなく話を続ける楡に、明衣はいつもの癖でツッコむが、不意に殴り付けられるかのような頭痛に見舞われ、思わず口をつぐんだ。
その様子を無表情で見ていた楡は立ち上がると、フラフラと姿を消す。
遠ざかる彼の足音と、他の人間の話し声。
様々なざわめきが、明衣の頭を犯していく。
「………ん」
「…?」
短い言葉と共に、頬にひんやりとしたものが当てられた。
眉を寄せ、目をそちらに向けると、それは水が入ったペットボトルだった。
どうやら楡が自動販売機で買ってきたらしく、表面が僅かに結露して濡れていた。
「二日酔いした人みたいだよ」
「…うるさいなぁ……」
明衣は怠そうに起き上がりながら、ペットボトルのキャップを捻る。
わざわざ水を買ってきてもらったのに、礼の一つも言えてない。
しかし、何だか気恥ずかしくて、素直に「ありがとう」が出てこなかった。
ゴクリ、と水を喉に流し込む。
火照った体に、じんわりとその冷たさが広がり、とても心地よかった。