a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
小切手を大事そうにしまうと、明衣は麗に向き直った。
麗も視線を明衣に向ける。
「今度は、さ」
「………うん」
「依頼とかそういうの関係なく、遊びにいこうね★」
明衣がにっこりとしてそう言えば、麗は嬉しそうに微笑み、一際大きく頷いた。
「うん!」
「俺も行きたい!」
「私も同行して良いかしら?」
「ていうか皆で行きましょうよ!」
五月女、華、本郷も我先にと手を挙げる。
皆は嬉しそうに笑っていた。
それを見た楡も、表情こそは変わらないが、何処か嬉しそうだった。
***
赤坂宅を後にし、いくらか広くなった車内に四人は居た。
暗くなったので、楡がそれぞれ送ってくれることになったのだ。
「まさか昨年度の年収を20倍上回るなんて、びっくりッスね」
五月女が苦笑混じりに言った。
「明衣ちゃんが入ってから、何か凄く楽しい依頼が入ってくるようになったわね」
本郷が笑顔で明衣に言った。
明衣はぴくりと肩を震わせ、目を伏せると、溜息を吐きながら口を開いた。